翻訳作品紹介
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第2回選定作品
『空海の風景』
作品タイトル
『空海の風景』
作家名
翻訳者
フランス語版 / Corinne Atlan
初版
1975年 中央公論社
キーポイント
  • 数々の文学賞に輝く、本格歴史小説の大家・司馬遼太郎の最高傑作
(あらすじ)
「日本が生んだ天才・空海の実像に迫る」
 
 空海(775~835年)は真言宗(大乗仏教の一派)の開祖。非常に才能豊かな人物で、宗教に加え、文学、芸術、学問そして社会活動においても主導的な役割を果たした。著者は空海を「人類の普遍的な天才」(時空を超越した哲学者)と呼び、「空海が生きた時代の風景を想像し、空海がその風景の一部として現れればと思った」という旨の記述を残している。「空海の風景」は重層的な作品で、伝記でありながら著者自身の観察と思索の賜として、比較文明論や日本文化論の領域にも達している。
 空海は四国の讃岐地方に生まれ、京都の大学に学ぶが、仏教修行のために大学をやめ、空海と名乗る。唐の長安で密教の最高位にある恵果和尚に学び、後に真言一派の最高位を占めた。二年後に日本に帰国し、京都で嵯峨天皇の勅許を賜り、高野山で寺群の建築に着手した。空海はまた、京都の東寺も賜り、それが真言密教の本拠地となる。本書は、空海の青年期から老年期に至るまでの人生を、彼が生きた時代の風景を通して詳しく描いている。
 
ジャンル:歴史小説
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