翻訳作品紹介
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第3回選定作品
作品タイトル
『無伴奏』
作家名
翻訳者
英語版 / Juliet W. Carpenter published
フランス語版 / Jean-Marc Weiss
ロシア語版 / Alexey V. Zinov published
初版
1990年 集英社
1994年 集英社(文庫版)
キーポイント
  • 恋は不安を孕んで、悲劇へと疾走する。ミステリアスで甘美な長篇恋愛小説
(あらすじ)
 高校最後の年を響子(きょうこ)は、伯母と共に仙台で過ごした。響子の父親の東京に転勤が決まり、響子は、あと1年残った高校生活を、引き続き仙台で過ごすことを希望する。娘と離れて暮らすことになった父が出した条件は、デモや集会に参加しないこと、浪人せず東京の大学に合格すること、無断欠席しないこと、夜7時の門限を守ること、の4つだった。響子は父との約束をすぐにやぶり、学校をサボっては反戦フォーク集会に参加し、ジャズ喫茶に行って煙草を吸ったりした。ある日、級友に誘われて行ったバロック音楽を流す喫茶店で、大学生・渉(わたる)に出会う。多感な響子は渉に強く惹かれ、渉を居候させてくれている友人・祐之介とその恋人・エマを含んだ4人の友情関係が始まる。
 響子は、その年、結局受験もせず、高校卒業後、仙台で浪人生活を始める。高校時代とは変わって、渉と会っていないときは、しっかりと勉強をするようになっていた。ある日、伯母の旅行中に渉を家に招くが、約束の時間を過ぎても渉が現れない。心配した響子は、祐之介の家へ行く。そこで響子が目にしたものは、祐之介と交わる渉の姿だった。ショックを受ける響子だったが、渉の説得により、落ち着きを取り戻す。そんな矢先、祐之介の子どもを身ごもっていたエマが殺害される。それと同時に祐之介と渉は行方をくらまし、4人の関係は、さらに悲劇へと疾走しはじめる。
 1960年代後半の熱狂の中繰り広げられる危険で美しい恋の物語。
 
ジャンル:大衆小説
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