翻訳作品紹介
To English
第3回選定作品
作品タイトル
『ファミリー・ビジネス』
作家名
翻訳者
英語版 / Mary Goebel Noguchi published
ドイツ語版 / Elena Giannoulis published
初版
1999年 新潮社
キーポイント
  • 日本文化のややこしさをユーモラスに描きつつ、痛烈に斬る話題作
(あらすじ)
「リアルでコミカル、日米異文化家族の切実な日常」
 
58歳の絵描きの恵(めぐみ)は、アメリカで結婚して30年になる。日本では、国際結婚と言うけれど、恵はそれを「雑婚」と呼んでいる。60歳になる夫のデイビットは、日本語が話せない。一緒に里帰りすれば、集まった家族が言いたい放題話すので日本語と英語の通訳が面倒だ、夫が30年たっても同じ批判を繰り返すのを聞くのもうっとうしい、という理由から、恵は単身帰国した。目的は、老いた母に会うためである。
到着するや、87歳になる恵の母から連絡があった。母は、まだ頭が切り替わらない恵に一方的に用件を話し、電話を切る。そのときから、「身内のやりとり」に振り回されることになる。
母の顔を立てて、気の進まない親戚の法事に出席する恵だが、長いアメリカ暮らしのせいか、日本のしきたりをややこしく感じ、妹・千津(ちず)の息子の家出騒動に巻き込まれては、父親と息子、嫁と姑などの日本の家族制度のあり方に戸惑う。
煩わしい親族付き合いのことを、アメリカでは「ファミリー・ビジネス」という。アメリカでも日本でも、親戚付き合いは「ややこしい」が、それでも逃げ出す訳にはいかない。
 
 
ジャンル:大衆小説
 
受賞;女流文学賞受賞作(第37回)
(女流作家の優れた作品に贈られる賞)
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