翻訳作品紹介
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第4回選定作品
『自由死刑』
作品タイトル
『自由死刑』
作家名
翻訳者
英語版 / Meredith McKinney published
フランス語版 / Yutaka Makino
ドイツ語版 / Thomas Hackner
初版
2003年 集英社
キーポイント
  • 勝手に死ぬ「自由死刑」を宣告した、平凡な会社員の1週間の物語。著者が新境地を拓いた作品。
(あらすじ)
「1週間後の自殺を決意した男の、喜劇のように賑やかな最期の日々」
 13歳を過ぎた頃から未来を絶望する癖がついていた平凡な会社員、喜多善男は、100万円あまりの預金残高を確認した上で、一週間後に自殺しよう、自らに「自由死刑」を執行しよう、と決める。
 その執行日までどう過ごすべきか? まず元ポルノ女優を紹介してもらって酒池肉林に溺れるか、臓器売買の契約をし、6年前に喜多を捨てた元恋人と再会、アイドルの宵町しのぶと恋に落ちて誘拐劇を自作自演する。失意の元恋人に対して復讐心は萎え、殺し屋がやってくる邪魔にあいながら、喜多は無事に自ら死ぬことができるのか−−。
 本書は、「死ぬ権利」を主張し、自ら実行しようとする男の、自殺までの1週間を描いた長編小説。日本は現在、年間に自殺する人が3万人を超える「自殺大国」だが、著者は「あと1週間しかこの世にいられないとしたら、あなたならどのように過ごすか? 私たちは自殺する自由を持っているが、その自由は過酷である」とし、現代社会の底流に潜むものを表現しようと試みた。1961年生まれの著者は、大学在学中の83年に22歳でデビュー、以後四半世紀にわたり、日本文壇の第1線で活躍している人気作家。
 
ジャンル:□□□□
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