2020年度「現代日本文学の翻訳・普及事業」

JLPP 文化庁

第4回 JLPP翻訳コンクール記念シンポジウム 英日翻訳家と日英翻訳家による刺激的翻訳セミナー

授賞式

第4回 JLPP翻訳コンクール受賞者を表彰
英語部門/最優秀賞1名、優秀賞2名
露語部門/最優秀賞1名、優秀賞2名
文化庁から授与された表彰状、盾の紹介および受賞者のコメント

司会 及び
露語部門
審査委員

沼野充義
沼野充義Numano Mistsuyoshi
現代文芸論・スラヴ文学研究者、名古屋外国語大学教授・副学長
1954年生まれ。専門はロシア、ポーランド文学。文芸評論活動やロシア、ポーランドと日本の文化交流・大学間交流等に積極的に関わっている。2002年『徹夜の魂 亡命文学論』でサントリー学芸賞芸術・文学部門受賞。2004年『ユートピア文学論』で第55回読売文学賞受賞。主な著書に『W文学の世紀へ 境界を越える日本語文学』、『世界文学から/世界文学へ文芸時評の魂1993―2011』、『チェーホフ七分の絶望と三分の希望』他多数。

英語部門
審査委員

井上 健
井上 健Inoue Ken
比較文学者、東京大学名誉教授
1948年生まれ。前日本比較文学会会長。専門は比較文学、アメリカ文学論、翻訳論。多くの翻訳や翻訳に関するエッセイがある。主な訳書に、レイ・カーツワイル『ポスト・ヒューマン誕生』、ヘンリー・ミラー『ネクサス 薔薇色の十字架刑』他多数。主な著書に『作家の訳した世界の文学』、『現代アメリカ文学を翻訳で学ぶ』、『文豪の翻訳力 近現代日本の作家翻訳 谷崎潤一郎から村上春樹まで』他多数。
スティーヴン・スナイダー
スティーヴン・スナイダーStephen Snyder
日本文学研究者、翻訳家、ミドルベリー大学教授・副学長
1957年生まれ。イエール大学で永井荷風の研究により博士号取得。村上龍や小川洋子の翻訳で知られる。2020年、小川洋子『密やかな結晶』(英題は『THE MEMORY POLICE』の翻訳が世界的に権威ある英国のブッカー賞の最終候補作品となる。主な訳書に桐野夏生『OUT』、小川洋子『博士の愛した数式』『ホテル・アイリス』、村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』、舞城王太郎『阿修羅ガール』他多数。
マイケル・エメリック
マイケル・エメリックMichael Emmerich
日本文学研究者、翻訳家、カリフォルニア大学アジア言語文化部教授
1975年生まれ。プリンストン大学卒業後、立命館大学大学院文学研究科修了、コロンビア大学でPh.D.を取得。『源氏物語』から吉本ばなな、川上弘美、川上未映子などの現代文学まで幅広く研究。第25回早稲田文学新人賞選考委員。日本語以外を母国語とする選考委員としては初めて。2010年、川上弘美『真鶴』(『Manazuru』)で日米友好基金日本文学翻訳賞受賞。主な訳書に松浦理英子『親指Pの修業時代』、古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』他多数。
ジャニーン・バイチマン
ジャニーン・バイチマンJanine Beichman
日本文学研究者、翻訳家、大東文化大学名誉教授
コロンビア大学において東アジア言語文化博士号取得。全米人文科学基金研究員。コロンビア大学でドナルド・キーンに師事し、与謝野晶子、正岡子規の評伝を発表してきた。英語新作能「漂炎」の作者で、大岡信が日本語に翻訳した(1985年つくば万博にて初演)。2020年、大岡信の詩選集『Beneath the Sleepless Tossing of the Planets』で日米友好基金日本文学翻訳賞受賞。主な著書に『対訳・折々のうた』(大岡信著、ジャニーン・バイチマン訳)他多数。

露語部門
審査委員

リュドミーラ・エルマコーワ
リュドミーラ・エルマコーワLiudmila Ermakova
神戸市外国語大学名誉教授、立命館大学講師
モスクワ国立大学付属東洋語大学卒業。ソ連科学アカデミー東洋学研究所より文学博士号取得。全ロシア日本学会会員。日本古代のフォークロアと神話、和歌や歌論と神話の関係などの比較文学、比較文化を研究。主な著書に『日本の神々の言葉と人々の歌−古代和歌における神話と儀礼』他多数。主な訳書に、山折哲雄「現代意識の諸問題:宗教と無神論の間に立つ日本人」、横光利一「春は馬車に乗って」他多数。
亀山郁夫
亀山郁夫Kameyama Ikuo
ロシア文学者、翻訳家、作家、名古屋外国語大学学長
1949年生まれ。ロシア文化、ロシア文学研究者。特にドストエフスキーの研究で知られ、評論、訳書を多く著している。2007年、翻訳ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』で毎日出版文化賞受賞。2013年『謎とき「悪霊」』で読売文学賞研究・翻訳賞受賞。2019年、日本芸術院会員。主な著書に『磔のロシア』、『ドストエフスキー父殺しの文学』、『新カラマーゾフの兄弟』、『世界が終わる夢を見る』他多数。
アレクサンドル・メシェリャコフ
アレクサンドル・メシェリャコフAlexander Meshcheryakov
日本学研究者、歴史学者、詩人、小説家
1951年生まれ。ロシア国立人文大学東洋文化古典古代研究所を経て、高等経済学院教授。ロシア日本研究者協会会長。神道、仏教、日本文化の研究で知られ、約300点の論文、著書がある。2012年『明治天皇と当時の日本』(ロシア語)で人文科学部門における啓蒙家賞を受賞。2015年、日本政府より外務大臣表彰受賞者に選ばれる。訳書に、紫式部や川端康成などの他に、石原慎太郎『わが人生の時の時』、多和田葉子『容疑者の夜行列車』など多数。