2020年度「現代日本文学の翻訳・普及事業」

JLPP 文化庁

第1回 日本文学インパクト 海外出版社、現代日本文学への眼

司会

デビッド・ボイド
デビッド・ボイドDavid Boyd
翻訳家、ノースカロライナ大学シャーロット校日本語学科助教授
日本文学の作家では、小山田浩子、小野正嗣、円城塔などの翻訳を手がけている。古川日出男『二〇〇二年のスロウ・ボート』(Pushkin Press, 2017)の翻訳で、2017/2018年日米友好委員会(JUSFC)賞日本文学翻訳賞を受賞。翻訳家サム・ベット氏と、川上未映子『夏物語』、『ヘヴン』、『すべて真夜中の恋人たち』を共訳。

パネリスト

エヴァ・フェッリ
村田沙耶香『コンビニ人間』他出版
edizioni e/o

エヴァ・フェッリEva Ferri
1988年ローマ生まれ。ヨーロッパ・エディションズ(Europa Editions)、およびローマのエディチオニ E/O(Edizioni E/O)編集者。ローマの大学とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで哲学と公共政策を学び、ミラノで哲学とユング心理学の修士課程を終了。ローマとロンドンを往復している。
エディチオニ E/O(Edizioni E/O)紹介
1979年ローマで設立。社名のE/Oは文化間の対話を重視するポリシーから、east/westを意味している。出版した作家はミュリエル・バルベリ、マッシモ・カルロット、エレナ・フェッランテ、ボフミル・フラバル、ジャン=クロード・イッツォ、アリス・シーボルド、エリック=エマニュエル・シュミット、クリスタ・ヴォルフなど。2005年に小説とノンフィクションを扱う出版社ヨーロッパ・エディションズをニューヨークに設立。2007年にはアラビア語へ翻訳した書籍の国際的出版のためSharq/Gharb出版社を設立。2011年にはヨーロッパ・エディションズUKをロンドンに設立した。
タイナン・コガネ
三島由紀夫『スタア』等出版
New Directions

タイナン・コガネTynan Kogane
ニューディレクションズ編集者。シアトル生まれ。ニュースクール大学卒業。小説、詩、ノンフィクションに関心があり、最近扱った作家は、小山田浩子、ジュディス・シャランスキー、フェルナンダ・メルチョール、ナタリア・ギンズブルグ、インゲボルク・バッハマン、ドゥンヤ・ミハイル、マティアス・エナール、谷崎潤一郎、フランツ・カフカ。アレハンドラ.ピザルニク、レイチェル・インガルズ、マックス・ブレッチャー、ニコラ・ガルディーニ、ラビー・ジェイバー、ノーマン・マネア、エリオット・ワインバーガーなど。また、詩のアンソロジー(フランスの愛の詩集と猫の詩集)を2冊編集した。
ニューディレクションズ紹介
ニューディレクションズは1936年にジェイムズ・ラフリンによって設立された独立系出版社。年間、約40冊を出版し、その多くが外国語からの翻訳である。実験的な小説、現代小説、モダン・クラシック、詩、文芸ノンフィクションを出版している。
アンサ・カーン・カタック
小川洋子『博士の愛した数式』等出版
Picador

アンサ・カーン・カタックAnsa Khan Khattak
PicadorのCommissioning editorとして出版企画に携わり、世界の作家を最前線で追っている編集者。
文学などのフィクションとノンフィクションの両方の出版を手掛けている。担当の作家に、ディマ・アルザヤット、ラナ・バスタシッチ、ルシア・ベルリン、モナ・ショレ、ウェンディ・アースキン、川口俊和、エリック・ヴイヤールなど。2019年より、Fresher Publishingという出版社の新人作家賞選考委員も務めている。
Picador紹介
1972年設立。世界的大手出版社パン・マクミランのインプリントとして、トマス・ピンチョン、アンジェラ・カーターを初め国際的に著名な作家を出版している有名文芸出版社。日本の作家としては大江健三郎、小川洋子を多数出版している。他に川村元気『世界から猫が消えたなら』、川口俊和『コーヒーの冷めないうちに』(本屋大賞候補)なども出版。