2022年度「現代日本文学の翻訳・普及事業」

JLPP 文化庁

第6回JLPP翻訳コンクール記念シンポジウム

モデレーター

アリソン・マーキン・パウェル
アリソン・マーキン・パウェルAllison Markin Powell
日本文学翻訳家、PENアメリカ翻訳委員会評議員
翻訳のほかに編集や出版コンサルタント業務にも従事。翻訳者の権利擁護活動に携わり、自身でデータベース「英訳された日本文学」を運営する。
主な訳書:川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険』の英訳で2020年PENアメリカ翻訳賞受賞、『センセイの鞄』(マン・アジア・文学賞候補作、同書イギリス版はインディペンデント外国文学賞にノミネート)、伊藤詩織『ブラックボックス』、高村薫『レデイ•ジョーカー』(飯田まりえとの共訳)、太宰治『女生徒』、⻄加奈子の短編など翻訳多数。

パネリスト

アン・メドウズ
アン・メドウズAnne Meadows
グランタ・ブックス ディレクター
イギリスの文芸誌「グランタ・ブックス」編集ディレクターをつとめ、年間6〜10点を出版。日本人作家では川上弘美、多和田葉子、村田沙耶香を出版。村田沙耶香の『コンビニ人間』はイギリスで大ヒットした。村田沙耶香の新作”Earthlings” (『地球星人』)を2020年10月に出版。グランタ入社前は、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで修士号を取得。同大学学部課程は最優秀の成績を得て卒業している。また文芸エージェントとしての経験もあり、短期間、BBCでプロデューサーを務めた。

グランタ・ブックス
グランタ・ブックスはイギリス有数の小説・ノンフィクションのインディペンデント系出版社であり、翻訳出版に熱心に取り組んでいる。出版した日本人作家は、村田沙耶香、川上弘美、ハン・ガン、多和田葉子等。また、季刊文芸誌「グランタ」も出版し、短編小説、回顧録、ルポルタージュ、詩、フォト・エッセイを掲載している。国ごとの特集で知られており、アメリカ若手作家ベスト作品やイギリス若手作家ベスト作品の特集が有名である。2014年には「グランタ・ジャパン号」を発行。市川真人氏、辛島デイヴィッド氏、エルマー・ルーク氏らの共同編集によるもので、円城塔、デイヴィッド・ミッチェル、本谷有希子などの作品を掲載した。
ユカ・イガラシ
ユカ・イガラシYuka Igarashi
グレイウルフ・プレス エグゼクティブ・エディター
文芸誌カタパルト創刊者兼編集長、グランタ誌編集長を経て、ソフトスカル・プレスの編集長をつとめ、川上弘美、本谷有希子、松田青子、ウェイン・ケステンバウム、リン・ティルマン、ルーシー・アイブスなどの作品を出版。2021年よりグレイウルフ・プレスのエグゼクティブ・エディター。PEN Americaとカタパルト出版の共同企画によるアンソロジー「Best Debut Short Stories」の編集も毎年担当している。 ニューヨーク出身、現在ハワイ島ヒロ在住。

グレイウルフ・プレス
グレイウルフ・プレスは有数の独立系出版社であり、21世紀のアメリカおよび世界文学のすぐれた作品の発掘と出版に精力的に取り組んでいる。知的冒険心に富む読者が、出版市場にひしめく作家の中で過小評価されている多様な声と出会えるよう、優れた作家を経験を問わず支援している。詩を専門とする出版社であるが、フィクションやノンフィクションの出版にも力を入れている。毎年30~35冊の本を出版。近年、それらの中から、ノーベル文学賞、ピューリッツァー賞詩部門、ブッカー賞、全米批評家協会賞、全米図書賞を受賞する作品や作家が出てきている。
タイナン・コガネ
タイナン・コガネTynan Kogane
ニューディレクションズ ディレクター
ニューディレクションズ編集者。シアトル生まれ。ニュースクール大学卒業。小説、詩、ノンフィクションに関心があり、最近扱った作家は、小山田浩子、ジュディス・シャランスキー、フェルナンダ・メルチョール、ナタリア・ギンズブルグ、インゲボルク・バッハマン、ドゥンヤ・ミハイル、マティアス・エナール、谷崎潤一郎、フランツ・カフカ。アレハンドラ.ピザルニク、レイチェル・インガルズ、マックス・ブレッチャー、ニコラ・ガルディーニ、ラビー・ジェイバー、ノーマン・マネア、エリオット・ワインバーガー、三島由紀夫など。また、詩のアンソロジー(フランスの愛の詩集と猫の詩集)を2冊編集した。

ニューディレクションズ紹介
ニューディレクションズは1936年にジェイムズ・ラフリンによって設立された独立系出版社。年間、約40冊を出版し、その多くが外国語からの翻訳である。実験的な小説、現代小説、モダン・クラシック、詩、文芸ノンフィクションを出版している。