現代日本文学の翻訳・普及事業 | Japanese Literature Publishing Project (JLPP)

文化庁 / Agency for Cultural Affairs.

審査委員

現代文学部門/英語

Polly Barton(ポリー・バートン)
©Garry Loughlin
Polly Barton(ポリー・バートン)
日本文学翻訳家
イギリス在住の日英翻訳家。2012年、第1回JLPP翻訳コンクール最優秀賞受賞。So We Look to the Sky(窪美澄『ふがいない僕は空を見た』)、Spring Garden(柴崎友香『春の庭』)、There's No Such Thing as an Easy Job(津村記久子『この世にたやすい仕事はない』)を翻訳出版。Where the Wild Ladies Are(松田青子『おばちゃんたちのいるところ』) は2021年「世界幻想文学大賞」短編集部門、Mild Vertigo(金井美恵子『軽いめまい』)は2023-2024 Lindsley and Masao Miyoshi 翻訳賞を受賞。 2021年、日本語についてのエッセイFifty Soundsをフィッツカラルド・エディションズから出版。
Michael Emmerich(マイケル・エメリック)
Michael Emmerich(マイケル・エメリック)
日本文学翻訳家、カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授
1975年生まれ。コロンビア大学でPh.D.を取得。源氏物語から吉本ばなな、川上弘美、川上未映子などの現代文学まで幅広く研究。2014年には第25回早稲田文学新人賞選考委員をつとめた。2010年、Manazuru(川上弘美『真鶴』)で日米友好基金日本文学翻訳賞受賞。その他、主な著書にThe Tale of Genji: Translation, Canonization, and World Literature、『てんてこまい 文学は日暮れて道遠し』、訳書に吉本ばなな『TSUGUMI(ツグミ)』、松浦理英子『親指Pの修業時代』、古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』、井上靖『猟銃』、川端康成『たんぽぽ』など多数。
Stephen Snyder (スティーヴン・スナイダー )
Stephen Snyder (スティーヴン・スナイダー )
日本文学翻訳家、ミドルベリー大学教授
1957年生まれ。日本文学研究者、翻訳家。アメリカ、ミドルベリー大学教授、教務担当副学長、及び同大語学学校長。イェール大学で博士号取得。第1回から第6回JLPP翻訳コンクールの審査委員を務める。永井荷風についての著作、現代日本小説アンソロジーの編書を出版したほか、主な訳書には、小川洋子、大江健三郎、村上龍、柳美里、伊坂幸太郎など多数。JLPPでの翻訳出版作品は舞城王太郎『阿修羅ガール』、永井荷風『腕くらべ』。小川洋子『密やかな結晶』英訳Memory Policeは2019年全米図書賞翻訳小説部門最終候補、2020年ブッカー国際賞最終候補となった。

現代文学部門/ドイツ語

Katja Cassing(カティア・カッシング)
©Michaela Weber
Katja Cassing(カティア・カッシング)
日本文学翻訳家、cass verlagパブリッシャー
1970年生まれ。日本文学翻訳家、出版社cass verlag創設者兼ディレクター。カティア・ブソン(Katja Busson)のペンネームでも活動。ドイツ・トリーア大学と早稲田大学で日本学及び英語・英文学を専攻。トリーア大学にて日本学博士号取得後、長年にわたり『和独大辞典』の編纂に専念。現在はcass verlagを経営しながら、東野圭吾、藤原伊織、谷崎潤一郎、車谷長吉、町田康、宮下奈都、青山七恵、川上未映子の作品など、数多くの日本文学作品をドイツ語に翻訳している。2006年国際交流基金翻訳賞受賞。
Eduard Klopfenstein(エドゥアルド・クロッペンシュタイン)
Eduard Klopfenstein(エドゥアルド・クロッペンシュタイン)
日本文学翻訳家、チューリヒ大学日本学名誉教授
1964-66年第一回文部省奨学生として主に京都大学に留学。1968年ベルン大学にてドイツ文学博士号取得、1969年よりチューリヒ大学日本学科助手、1979年同大学日本学にて教授資格(PD Dr.)取得。1989-2005年、チューリヒ大学教授。現在は同大学名誉教授。専門は日本文学で、文学作品のドイツ語訳出版に数多く携わる一方、日本の著名な文学者をスイスに招待し、講演会、朗読会、連詩の会等を多数企画・開催してきた。翻訳賞関係では野間文芸翻訳賞、日本財団翻訳賞、しずおか世界翻訳コンクールなどの審査員も含まれている。2010年日本政府より旭日中綬章、2019年には"Paul Scheerbart"ドイツ語翻訳賞"を授与さる。JLPP翻訳出版事業では谷川俊太郎『minimal』を翻訳し、日本の現代詩をドイツ語圏に伝えると共に日本文学作品のドイツ語圏における編集責任者としてヨーロッパにおける日本文学の普及に精力的に取り組む。2023年には与謝野晶子『みだれ髪』全訳をManesse社より出版。
Asa-Bettina Wuthenow(朝・べティーナ・ヴーテノウ)
Asa-Bettina Wuthenow(朝・べティーナ・ヴーテノウ)
日本文学研究者、翻訳家、通訳者、ハイデルベルグ大学日本学科准教授
ハイデルベルグ大学で日本学を学び、広津和郎の研究により博士号を取得。荻原朔太郎、芥川龍之介研究でも知られる。JLPP 翻訳出版事業では『広津和郎作品集』を翻訳。ベルリン日独センター「青山七恵による朗読&トーク」において青山七恵との対談なども行った。ミュンヘンIudicium社発行の文学雑誌Hefte für Ostasiatische Literatur (HOL) (東アジア 文学冊子)の編集・出版の責任者。

古典文学部門/英語

Janine Beichman(ジャニーン・バイチマン)
Janine Beichman(ジャニーン・バイチマン)
日本文学研究者、翻訳家、大東文化大学名誉教授
コロンビア大学より日本文学における詩の研究で博士号を取得。著書にMasaoka Shiki: His Life and Works、Embracing the Firebird: Yosano Akiko and the Rebirth of the Female Voice in Modern Japanese Poetry、英語能『漂炎』(Drifting Fires)などがある。大岡信の詩を英訳したBeneath the Sleepless Tossing of the Planets: Selected Poemsで2019年日米友好基金日本文学翻訳賞を受賞。最近の翻訳作品にはWell-Versed: Exploring Modern Japanese Haiku(『名句の所以』小澤實著)、This Overflowing Light: Rin Ishigaki Selected Poems her translations of Ishigaki Rin’s poetry(石垣リン詩集の翻訳)などがある。
Peter MacMillan(ピーター・J・マクミラン)
Peter MacMillan(ピーター・J・マクミラン)
翻訳家、詩人
アイルランド国立大学ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンを首席で卒業後、同大学院で哲学の修士号、その後、米国で英文学の博士号を取得。プリンストン、コロンビア、オクスフォードの各大学で客員研究員として2年間を過ごす。現在は東京大学非常勤講師、相模女子大学客員教授、武蔵野大学客員教授を務める。2023年、JICA初の文化担当講師に就任。2008年に英訳『百人一首』を出版し、日米で翻訳賞を受賞。2016年9月には英訳『The Tales of Ise』(伊勢物語)、2017年には英訳『One Hundred Poets One Poem Each(新訳)』の2冊がPenguin Booksより出版される。2011年にはイタリアで自作の詩集 Admiring Fields を出版。2019年には世界初の英語百人一首『Whack A Waka』を制作。また、アーティストとして「西斎」名義で版画の制作活動も行なっている。近著に『日本の古典を英語で読む』『英語で味わう万葉集』など多数。
森山 恵(もりやま めぐみ)
森山 恵(もりやま めぐみ)
詩人、翻訳家
詩集に『夢の手ざわり』『エフェメール』(ふらんす堂)『みどりの領分』『岬ミサ曲』(思潮社)。訳書に『源氏物語 A・ウェイリー版』(全4巻、左右社、毧矢まりえ共訳)。同書にて2020年ドナルド・キーン特別賞。2021年ヴァージニア・ウルフ『波[新訳版]』を早川書房より上梓。そのほか新聞、文芸誌に評論、エッセイ、書評など発表。『レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳『源氏物語』』(講談社)近刊。