現代日本文学の翻訳・普及事業 | Japanese Literature Publishing Project (JLPP)

文化庁 / Agency for Cultural Affairs.

審査委員

現代文学部門/英語

Kendall Heitzman
Kendall Heitzman(ケンダル・ハイツマン)
日本文学翻訳家、アイオワ大学日本文学・文化学准教授、アジア・スラヴ言語文学科長
イェール大学で博士号を取得。藤野可織『爪と目』の英訳 (Nails and Eyes, プーシキン・プレス、 2023年)により日米友好基金日本文学翻訳賞を受賞。著書に Enduring Postwar: Yasuoka Shōtarō and Literary Memory in Japan(ヴァンダービルト大学出版、2019年)。小説家の滝口悠生、李琴峰、詩人の岡本啓など、アイオワ大学の国際創作プログラムに参加した日本人作家の作品を多数英訳している。翻訳は Cha誌やUS – Japan Women’s Journal誌などに出ているほか、最近は文芸誌 Monkeyに古川日出男の作品の翻訳が掲載されている。翻訳書がペンギン UK、ストーンブリッジ・プレス、プーキン・プレスから出版される予定。
鴻巣友季子
©新潮社
鴻巣友季子(こうのす ゆきこ)
翻訳家、文芸評論家
1963年、東京生まれ。1995年、BABEL国際翻訳大賞BABEL新人賞受賞。1998年、トマス・H ・クック『緋色の記憶』でBABEL国際翻訳大賞ミステリ部門受賞。英語圏の現代文学の紹介と共に古典新訳にも力を注ぎ、訳書は百数十冊に上る。主な訳書にエミリー・ブロンテ『嵐が丘』、マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(全5巻)、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』(すべて新潮文庫)、J・M・クッツェー『恥辱』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』(すべて早川書房)、マーガレット・アトウッド『昏き目の暗殺者』『誓願』『老いぼれを燃やせ』(すべて早川書房)、『獄中シェイクスピア劇団』(集英社)。クレア・キーガン『ほんのささやかなこと』(早川書房)、アマンダ・ゴーマン『わたしたちの登る丘』『わたしたちの担うもの』(ともに文藝春秋)など。主な著書に、『明治大正 翻訳ワンダーランド』『熟成する物語たち』『謎とき『風と共に去りぬ』』『文学は予言する』(すべて新潮社)、『全身翻訳家』『翻訳ってなんだろう?』『翻訳教室 はじめの一歩』(すべて筑摩書房)など、文芸評論や翻訳論にまつわる著書も多数。青山学院大学などで長年翻訳の教鞭をとり、後進の指導に当たっている。日本文藝家協会常務理事、せたがや文化財団理事、日本ペンクラブ獄中作家・人権委員、女性作家委員。
Stephen Snyder (スティーヴン・スナイダー )
Stephen Snyder (スティーヴン・スナイダー )
日本文学翻訳家、ミドルベリー大学教授、暫定学長
1957年生まれ。日本文学研究者、翻訳家。アメリカ、ミドルベリー大学教授、教務担当副学長、及び同大語学学校長。イェール大学で博士号取得。第1回から第6回JLPP翻訳コンクールの審査委員を務める。永井荷風についての著作、現代日本小説アンソロジーの編書を出版したほか、主な訳書には、小川洋子、大江健三郎、村上龍、柳美里、伊坂幸太郎など多数。JLPPでの翻訳出版作品は舞城王太郎『阿修羅ガール』、永井荷風『腕くらべ』。小川洋子『密やかな結晶』英訳Memory Policeは2019年全米図書賞翻訳小説部門最終候補、2020年ブッカー国際賞最終候補となった。

現代文学部門/スペイン語

Marina Bornas
Marina Bornas(マリナ・ボルナス)
日本文学 、ドイツ文学、英文学翻訳家、映像翻訳家
日本語、英語、ドイツ語からスペイン語、カタルーニャ語への文学翻訳家。京都外国語大学で1年間学んだ後、2005年にバルセロナ自治大学で翻訳・通訳の学位を取得。2009年、川上弘美『センセイの鞄』の翻訳により文学翻訳の世界に入り、吉田修一、柳美里、太宰治、井上靖、村田沙耶香、吉村昭など、さまざまな作家の作品を翻訳してきた。現在、バルセロナ近郊に住み、文学翻訳のほか、映像翻訳も専門としている。
野谷文昭
野谷文昭(のや ふみあき)
ラテンアメリカ文学翻訳家、東京大学名誉教授、立教大学名誉教授、名古屋外国語大学名誉教授
1948年生まれ。東京外国語大学外国語学研究科修士課程修了(ロマンス系言語)。2022年、マリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』(岩波書店)で日本翻訳家協会 日本翻訳文化賞受賞。2010年、日本スペイン協会 会田由翻訳賞受賞。2004年、チリ大統領賞受賞。翻訳はガルシア=マルケス、ボルヘス、ネルーダ、オクタビオ・パス、マヌエル・プイグ、ロベルト・ボラーニョ等。文学評論、映画批評、字幕翻訳なども手掛ける。
Alfredo López Pasarin
Alfredo López-Pasarín Basabe
(アルフレッド・ロペス・パサリン・バサベ)
日本文学翻訳家、早稲田大学教授
1964年、スペインに生まれる。マドリード自治大学文献学部を卒業後、バスク地方大学にて博士号を取得。現在は早稲田大学政治経済学部教授を務める。1989年の来日以来、日本に在住。研究者としての専門分野はスペイン現代詩であり、この分野において多くの業績を残している。また、ラテンアメリカ現代詩や文学論も研究対象としている。翻訳家としては、日本近代および現代詩への関心から、これまでに宮沢賢治、高村光太郎、三好達治などの作品をスペイン語に翻訳している。さらに、第6回JLPP翻訳コンクールスペイン語部門の審査委員も務めた。

古典文学部門/英語

Janine Beichman(ジャニーン・バイチマン)
Janine Beichman(ジャニーン・バイチマン)
日本文学研究者、翻訳家、大東文化大学名誉教授
日本文学研究者、翻訳家、詩人。コロンビア大学博士号。大東文化大学名誉教授。英語能『漂炎』( Drifting Fires)を制作。著書にMasaoka Shiki: His Life and WorksEmbracing the Firebird: Yosano Akiko and the Rebirth of the Female Voice in Modern Japanese Poetryなどがあり、大岡信の詩を英訳したBeneath the Sleepless Tossing of the Planets: Selected Poemsが2019年日米友好基金日本文学翻訳賞を受賞。最近の作品にはWell-Versed: Exploring Modern Japanese Haiku(小澤實著『名句の所以』の英訳) This Overflowing Light: Rin Ishigaki Selected Poems her translations of Ishigaki Rin’s poetry(石垣リン詩集の英訳)などがある。
Peter MacMillan(ピーター・J・マクミラン)
Peter MacMillan(ピーター・J・マクミラン)
翻訳家、詩人
アイルランド生まれ。アイルランド国立大学卒業後渡米し博士号を取得。現在は東京大学非常勤講師、相模女子大学客員教授、武蔵野大学客員教授を務める。2023年、JICA初の文化担当講師に就任。2008年に英訳『百人一首』を出版し、日米で翻訳賞を受賞。その他の著書に、Penguin BooksよりThe Tales of IseOne Hundred Poets, One Poem Eachなど。また日本での著書に、『英語で味わう万葉集』、『謎とき百人一首 和歌から見える日本文化のふしぎ』、『英語で古典 和歌からはじまる大人の教養』、『シン・百人一首 現代に置き換える超時空訳』など多数。NHK WORLD「Magical Japanese」、KBS京都「さらピン!キョウト」に出演している。2024年、NHK「100分de名著」で百人一首の指南役を務める。その他番組に多数出演。同年、外務大臣表彰受賞。また秋の叙勲にて旭日小綬章受章。
Meredith McKinney
Meredith McKinney(メレディス・マッキニー)
古典、近世、現代日本文学の翻訳家、オーストラリア国立大学名誉准教授
オーストラリア国立大学で日本古典文学の博士号を取得。現在、オーストラリア国立大学名誉准教授。約20年間日本で暮らした後、オーストラリアに戻り、現在はニュー・サウス・ウェールズ州の小さな田舎町の近くに住んでいる。これまでに20冊以上の翻訳書を出版。その中には枕草子、方丈記、徒然草などの古典、夏目漱石の『こころ』と『草枕』、現代作家の田辺聖子、古井由吉や島田雅彦の作品などがある。古井由吉のRavine and Other Stories(『谷』)で日米友好基金日本文学翻訳賞を受賞。2025年にA Tale Unasked(『とはずがたり』)がペンギン・クラシックスより出版予定。
森山 恵(もりやま めぐみ)
森山 恵(もりやま めぐみ)
詩人、翻訳家
東京生まれ。聖心女子大学大学院文学研究科英文学修了。詩集に『夢の手ざわり』『エフェメール』(ふらんす堂)『みどりの領分』『岬ミサ曲』(思潮社)。訳書に『源氏物語A・ウェイリー版』(全4巻、左右社、毧矢まりえ共訳)。同書にて2020年ドナルド・キーン特別賞。2021年ヴァージニア・ウルフ『波[新訳版]』を早川書房より上梓。最新刊に毬矢との共著『レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳『源氏物語』』(講談社)。NHKTV「100分de名著  ウェイリー版・源氏物語」にゲスト講師として出演。新聞、文芸誌に評論、エッセイ、書評、詩などを発表のほか、各地の文学館、図書館、大学で講演、講義を行う。