翻訳作品紹介
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第1回選定作品
作品タイトル
『わが人生の時の時』
作家名
翻訳者
英語版 / Wayne P. Lammers published
ロシア語版 / Alexander Mesheryakov published
初版
1990年 新潮社 
1993年 新潮社(文庫版)
キーポイント
  • デビュー作『太陽の季節』で芥川賞作家になった著者の珠玉の40篇
(あらすじ)
「死と隣り合わせに垣間みた至福の一瞬を綴った40篇」
 
 スクーバダイバーの草分けの一人である「彼」が、ある時期やっていた仕事とは、どこかの中国人にたのまれて海中から怪しげな包みを拾い上げる作業といったユニークなもの。その「彼」が海中で獲った大きな魚を手土産に著者を訪ねきて、船に海にとり残された話を語り始める。(「漂流」より)
 オキノエラブウナギという海蛇は体長1メートル以下と比較的小さな海蛇だが猛毒を持っている。しかし、その歯は退化しており、人間を噛むことはあり得ないらしいが、毒の威力は変わらない。著者は、この海蛇が息継ぎの後水底に戻っていくのも、他の大きな海蛇たちのようにダイバーに珍しげに近づいてくるのも見たことがない。見たことあるのは、ただまっすぐに水面に向かって上がっていく姿だった。不安を覚える著者にダイバー仲間が、この海蛇の捕まえ方を教えてくれ、実際に試してみるのだが……。(「まだらの紐」より)
 人間はただ呼吸しているだけで酒に酔うように窒素を吸って酔っ払ってしまうことがある。おそらくこの現象は水深40メートルを越すと起きる可能性があるようで、深度が増せば増すほど、酔いは深まっていく。あるとき著者も、仲間が窒素に酔っ払って危うく死にかけるのを目の当たりにする。(「窒素酔い」より)
 
ジャンル:エッセイ
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