翻訳作品紹介
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第2回選定作品
作品タイトル
『小説スーパーマーケット』
作家名
翻訳者
英語版 / Paul Warham published
フランス語版 / Karine Chesneau
ロシア語版 / Alexander Dolin published
初版
1984年 講談社(文庫版)
キーポイント
  • 昭和40年代高度成長期を背景に、スーパーマーケット業界の内幕を描く経済小説。
  • スーパーマーケット新人研修のバイブルともなった本格的企業小説。
(あらすじ)
「生鮮食品の流通革命にロマンをかける男の熱血企業物語」
 
香嶋(こうじま)は、一流銀行のエリートの立場を捨てて、地方都市のスーパーマーケット石栄(いしえい)ストアに飛び込んだ。ストアの専務である従兄から誘いがあったとき、未知数のスーパー業界で自分の可能性を試してみたいと決意したのだ。
 販売促進部長のポストを与えられたものの、スーパー業界ではまったくの素人である香嶋は、スーパーマーケット協会の役員から紹介された他社の社長亀山(かめやま)を招き、アドバイスを乞うた。店内を見て回った亀山は、衣料品の不良在庫と食肉部門の不正を指摘。そのときから、再生を誓う香嶋の活躍がはじまる。
香嶋は、内部の派閥争いや大手企業による買収のうわさなどに振り回されながらも、不正の実態を暴いていく。また、生鮮食品売り場の改革を図る香嶋のリーダーシップの下、香嶋を慕う従業員は仕事に情熱を感じ、売り場にも活気があふれる。
不良在庫と不正の問題は、不正に巻き込まれた従業員が自ら命を絶ったことから全貌が明らかになる。香嶋は多額の損失を粉飾することで、ストアと従業員を救う道をとる。数年後、石栄ストアの経営は軌道に乗り好転するが、社長の石狩栄太郎(いしかりえいたろう)は、大手スーパーへの売却を決めてしまう。
本作は、倒産寸前のスーパーを再建した経験を持つ著者による、業界の内幕を描く経済ドラマである。
 
ジャンル:経済小説
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