翻訳作品紹介
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第2回選定作品
作品タイトル
『おれの血は他人の血』
作家名
翻訳者
ドイツ語版 / Otto Putz published
初版
1974年 文藝春秋
1979年 新潮社(文庫版)
キーポイント
  • ハードボイルドタッチのナンセンス痛快小説。
(あらすじ)
「ヤクザの抗争に巻き込まれた謎の怪力男、その正体は?」
 
 建設会社の地方支店に赴任したばかりの目立たないサラリーマン絹川(きぬかわ)は、強烈な怒りに駆られると精神と肉体が分離しはじめ、恐怖が自分にのしかかってくるのをコントロールできない状態になり、意識が遠のいていく。再び気がつくと、目の前は凄まじい状況となっている。
 あらゆるものがボコボコに壊れ、何人もの人間が投げ飛ばされ叩きつけられ、辺りは血の海。絹川が人間技とは思えない怪力で暴れまわったようだが、本人は何も覚えていない。目撃者によると、「エクスクラメントオ」と最後に叫んでいるらしい。
 いつか殺人を犯すのではと恐れている絹川は、脅されて暴力団の用心棒にされてしまう。その暴力団は、同じ縄張りを持つほかの暴力団と、市長や警察を巻き込んで権力抗争の真最中。絹川が現れたことにより、事態は収集のつかない方向に突進し、街は戦争状態になる。
 なぜ、意識を失って暴力的になるのか、その理由を調べて欲しいと、絹川に頼まれた友人は、意味のわからなかった「エクスクラメントオ」という言葉を頼りに調べを進める。
 ナンセンスでハードボイルド。スーパーバイオレンスのヒーローともいうべき男の、ハチャメチャな怪力シーン満載の物語。
 
ジャンル:SF小説
 
受賞;星雲賞受賞作。(第6回)
(日本SF大会で、優秀SF作品及びSF活動に対し贈られる賞)
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