翻訳作品紹介
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第2回選定作品
作品タイトル
『火車』
作家名
翻訳者
ドイツ語版 / Ralph Degen published
ロシア語版 / Irina Melnikova published
初版
1992年 双葉社
1998年 新潮社(文庫版)
キーポイント
  • 優秀な大衆文芸作品に贈られる直木賞候補にもなったミステリー史に残る傑作。
(あらすじ)
「その女は何者なのか? 自己破産者の凄惨な人生に隠された謎」
 
 刑事、本間俊介(ほんましゅんすけ)は、強盗犯逮捕の際に膝を撃たれ、目下休職中。ある日、遠い親戚にあたる栗坂和也(くりさかかずや)が突然、相談したいことがある、と訪ねてくる。和也は得意先の社員、関根彰子(せきねしょうこ)と婚約をしたという。しかし、結婚の準備をしていくうちに彰子が自己破産をしていたことが判明。和也が本人にたずねた直後、彰子が忽然と姿を消してしまう。そこで、和也が捜査依頼をしに、俊介のもとを訪れたのだった。
 俊介は、彰子の勤め先から履歴書を入手し、それ以前に勤めていた会社に連絡をとろうとするが、そこに記載されていた会社はどれも実在しなかった。何かがおかしい…と思う俊介は、彰子の破産手続きをした弁護士に会う。弁護士が語る彰子像は、勤め先で耳にしたものと、まるで違っていた。念のため、俊介が彰子の履歴書を見せると、弁護士は、写真の女性は関根彰子ではなく別人だ、と言い出す。
 和也が婚約をした女性は、いったい何者なのか? 何の目的で赤の他人の身分を名乗っていたのか? 本物の関根彰子の行方は? 書類で身元を確認することはあっても顔までは照会しない、日本の戸籍制度の裏をついた身分詐称のトリックと、カード破産や借金による一家離散など社会問題を描いた問題作。
 
ジャンル:ミステリー小説、サスペンス小説
 
受賞:山本周五郎賞受賞作(第6回)
(すぐれた物語性を有する小説・文芸書に贈られる賞)
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