翻訳作品紹介
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第4回選定作品
『南神威島』
作品タイトル
『南神威島』
作家名
翻訳者
英語版 / Ginny Tapley Takemori
ドイツ語版 / Mariko Sakai & Wolfgang Höhn published
ロシア語版 / Alexander Dolin
初版
1992年 講談社
キーポイント
  • 70年に私家版で発表された、文学的試みに満ちたミステリー作品群
(あらすじ)
「最果ての南の島に隠された、恐るべき惨劇の真相とは」
 
 東京を離れて南の果ての無医島“南神威島”に来た青年医師は、赴任早々、島の女たちが海鳥を素手で狩り殺す、残虐な光景を見て身震いする。都会育ちの青年は、女たちのフリーセックスや、祭り太鼓の単調なリズムに苛立ち、風習を薄気味悪く思ううち、やがて島に伝染病が発生する。自然豊かな島に隠された、恐るべき惨劇の真相とは−−(表題作)。
 島の悪夢を描いた表題作のほか、6歳の我が子の死を「自殺」と主張する、女優の心の闇に迫る「刑事」など5編を収める、著者が70年に私家版として自費出版した作品集である。
 名探偵・十津川警部の生みの親である著者は、著作が400冊超を数え、累計発行部数は2億部を超える日本を代表するミステリー作家。その作品は質の高さから「ジャンルを超越した文学作品」と呼ばれている。65年に江戸川乱歩賞を受けてデビューした著者は、デビュー後も文学研究会に入って小説の研鑽を積み、本書の5作はいずれも勉強のために書いて機関誌に発表した作品で、92年に商業出版され、「幻の作品集」として話題を呼んだ。「推理小説もまた文学でなければならない。真のサスペンスは、現実の事件の表面を撫ぜることでは生れない」と、著者は70年の刊行当時の後書きに記している。
 
ジャンル:推理小説
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